写真展「原生の鼓動」(キヤノンカレンダー作品展)は、明日から5月22日まで札幌キヤノンギャラリーで開催されます。全国巡回の最終展示ですのでぜひご来場ください。

<幸運な滑落>
写真展に展示したこの写真のエピソードをひとつ。
この仕事(カレンダー)にはそぐわないかもしれない少し危険な話だったので、いままで避けてましたけど、
僕は札幌展の会場には行けないので、その罪滅ぼしの意味も含めて、最終展示に来てくださる方へのネット上作品解説という感じで書きます。
この日の北八甲田は、強風が吹き荒れていました。氷点下15℃前後だけれど、常時20m以上の風速があって、じっととどまっていればとても耐えられない体感温度でした。
僕は、モンスター(樹氷)の陰にかくれて三脚を立てて風をしのぎ、撮影を続けていたのです(以前のブログでジッツオのカーボン三脚を折ったと言う話をしましたが、その時のことです)。
突然、暴風としか言いようのない突風がモンスターを巻き込んできて、僕は立ててある三脚を押さえるのに必死になった。その時、ヘッドの鋳鉄部からボキッと折れた。その折れた一脚部分が風に飛ばされそうになったので僕は少し身を乗り出してそれをつかんだのです。その途端に暴風にさらされて僕の身体自体が吹っ飛んだ。信じられない勢いで緩やかな斜面を滑落した。足を谷に向けながら猛スピードで落ちてゆく。落ちてゆく先にコブがあって、「ヤバい、激突する!」と思って足を踏ん張った。その瞬間、僕の身は宙を舞ったのです。4mくらい上がったんじゃないだろうか?定かでないが。かなり硬めの斜面にドーンと落ちた。
それで滑落が止まったのです!
落ちた途端に息ができなくなって、死ぬかと思った。
息を吐こうとしても出ないのです。
1分近く、息を吐くにも吐けない状態が続いたような気がする。
そうやって、このまま死ぬのかという不確かな意識がよぎった瞬間に、ふーっと息が抜けた。
けっこうヤバかった。かなりラッキーだった。あのまま滑落を続けていたら、急斜面にかかっていた。
息を切らせながら、手足が動くかどうか確かめた。大丈夫だと思ってまた一息ついた。
寝転がった雪面をまだ強風が吹き付けていたけれど、そよ風のような爽快さだった。かな?^^;

暴風が吹き荒ぶモンスター群像の中。地吹雪が舞って写真がみなモヤってしまう。
