深い森を歩いていていつの間にか霧に覆われてしまうことがある。 カサコソと自分の足音だけが森全体に静かに響き渡る。 枯葉を踏む音が森の奥まで響き渡っている。その時にはじめて(!)深い静寂のなかにたったひとりで居たのだと気づきかすかに怖のく。それもたった一瞬だ。再び歩き出して贅沢な孤独の時間を踏みしめている。
誰一人立ち入らないブナの深林へひとり踏み込めば、森の神様と対話する時空に偶然と陥る時がある。
音を聞いて静寂を知る。ほら!僕は弁証法をなんなく理解した。矛盾する対立物を措定してはじめて状況を具体的に提起できた。

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