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八甲田の山スキーブナの古木の樹齢凍てつくダケカンバ樹林帯危機とは常にかつて経験したこともない状況である![]() きのう八甲田で雪崩が発生して、「スキーツアー客ら十数人が巻き込まれ、男性二人が死亡、八人が骨折などの重軽傷を負い、うち女性一人が胸を強く打ち、重体となった。」(東奥日報)という事故があった。二十四人(客十八人、ガイド五人、)というメンバーで前岳に向かっていたというニュースを見て少し疑問に思った。死亡事故自体は、毎年八甲田では発生しているのでしょうがないが、 *前岳は、ちゃんとしたコースはないはず。 *2月のこの時期は、もっとも厳しい気候。 *ガイドが5人もついていたのになぜ? やはり、ガイドという「ベテラン」がいながら、過信があったんでしょうね。「風速三八メートルの強風が吹き、視界は約五、六メートル」と強調して報道していましたけど、真冬の八甲田じゃあ毎日のことです。ベテランのガイドならわかっているはずです。それでも危機判断を誤った。ガイドだけ5人で入山したのならまだしも、客18人も連れて入ったというのが解せないです。雪崩は突発的なものである程度はしょうがないけど、それでもこの計画は無謀だと思う。ベテランということの意味を考えさせられましたね。 **百戦錬磨のベテランというのはありえない** **誰もが大自然の前には初級者の慎重さを持たなければならない** これは別に山じゃなくてもおんなじだが、 危険が増大した時に、その時に正しい判断を下せるのかどうかが大事なのである。 山で迷ったと気がついた時、どうなるかと言うと、非常に動揺して不安感でいっぱいになる。迷ったと気がついた時はいつでも時間がない時だ。たいがい夜が迫っている。そういう時に道を失えばどうなるのか?迷った経験がない人でも少しはわかるだろう。自然と足早になって必死になって彷徨うことになる。心臓が高鳴り余裕がないから疲労も何倍にもなる。そうやって迷った人は夜暗くなるまでぐるぐると同じところを歩き回りついには体力を使い果たしてへたりこむのだ。そういう時は転落事故とか疲労凍死とかの瀬戸際の崖を歩いているようなものだ。 はたから正しいことを言うのはたやすいことだ。評論家が正しいようなことをいくら言っても何か軽く見えるのはそういうことだ。 同じように僕がここでいくら冷静なことを言ったところで危機の現場で正しく行動できなければ何にもならない。僕は百戦錬磨のベテランというのはありえないとさえ思う。誰もが大自然の前には初級者の慎重さを持たなければならない。大自然のすべての厳しさを経験した人などいない。危機とは常にかつて経験したこともない状況にちがいない。だから誰でもが動揺する。多くの経験値はそれをわずかに救ってくれるにすぎない。経験値の少ない状況で正しい判断を下さねばならないのだ。経験の差が数多く助けてくれるのは、危機の時ではなくて平常の時と思った方がいい。それを忘れたらベテランでも容易に危うくなる。自分をベテランと思ったら危ないと僕は何度も何度も思い返すことにしている。 南八甲田アーカイブ第二集の発売について
南八甲田の写真紀行を高解像度の写真と文で編集したアーカイブ集の第二弾「竜神の渓谷」CD-ROMを発売します。八甲田最大の滝「竜神様」へ至る単独遡行の記録。
全59カット。PDF形式のスライドショーですのでパソコンが必要です。Windows、Mac両対応です。パソコンのモニターいっぱいに自動的に広がって、最高解像度の写真が展開されます。自動展開しますのでスクリーンセイバーとして使用することもできます。ESCキーを押すとスライドショーが終了します。スライドショーを終了させた後は、一枚ずつ写真を見ることができます。 挿入文は、ブログで掲載したものを修正・加筆したものです。 **南八甲田アーカイブ第二集「竜神の渓谷」CD-ROM¥2.000 CD-ROM売り上げの10%は、WWF(世界自然保護基金World Wide Fund for Nature)ジャパンに寄付し、自然保護活動に広く役立てられます。(僕もWWFの会員です。) お申し込みは、メールで直接、もしくはGstudioネットショップでどうぞ。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 21インチワイドモニターで見た場合、こんな感じです。 ![]() アル・ゴアの映画で気になること
この映画がアメリカで作られてしかも世界的にヒットしていること自体は、人々に環境問題への問題意識を高めるという意味でいいことだろう。
気になったことが一つある。それはこの映画だけの問題ではない。マスコミの報道の仕方そのものにもある。それは何かというと、 自然環境悪化の原因を、CO2の人為的排出に集約してしまっているきらいがあることだ。決してそれだけの問題ではないし、例えば異常気象の問題にしてもCO2の問題だけに集約してしまうと他の問題を脇にやってしまいかねないと思う。例えば各地の大洪水の問題にしても、森林の大伐採の問題を明らかにしないままCO2のせいだけにしたならば無理があるし、問題解決を誤ってしまいかねない。それにCO2だけを問題にしていると、じゃあ(CO2排出の少ない)原発の方がいいという議論すら出てくる危険性があるわけだ。これこそ本末転倒もいいところである。地球環境悪化の最大のものは戦争であるということをあまり告発していないということも気にかかる。計り知れない熱量の爆撃をもっと非難すべきである。これなどは、随所でゴアは発言している「モラル」だけではどうにもならないことで、環境問題はなによりも政治問題でもあるということの証左のはずだ。このへんはとりわけマスコミの問題でもある。 このスタンスというのは、ある意味で「近代欧米的」思考方法が出ているような気がするのだが。悪者を一つ作ってそれと戦おうという垂直思考が出ているような気がする。ケチつけだけをしているわけではない。問題は多面的に多角的にとらえるべきであると思うだけだ。もちろん僕は、多くの人々に問題意識を持たさせてくれたという意味で、この映画は評価すべきであるということになんの異論もない。 タイトル変えました。
タイトルの中に/(スラッシュ)が入っていると、Web上では不都合な場合も出てくるので変更しました。
「南八甲田の森と源流」です。ま、タイトルも内容も人間も(笑)少しづつ変容していくということでよろしくお願いします。 「竜神の渓谷」が一段落したことで、閑話休題。 最近、家の近所に珈琲豆の店ができました。生豆からローストもやってる店です。うれしいですね。こういう店。僕はコーヒーが好きで、山にもドリップを持っていくくらいです。インスタントじゃ味気ないんですよ。重量なんかたいしたことないんです。厳しい山行でもうまいコーヒーを飲めるということが大事なんです。朝起きてお湯を湧かして旨い珈琲を飲む。これがあることで朝早くおきる愉しみができるわけです。 おおげさだけどこれだけで生きる理由ができると言ってもいい。 煙草でもいい。あそこまで行ったら一服しよう。これだけで歩く理由ができる。 もちろん酒もそうだ。たきびおこして熱燗をつけよう。これが愉しみになるわけです。 ぎりぎりの山行をしている時だって(いやそういう時こそ)人間には愉しみが必要なんです。 僕は蕎麦だって山に持って行きます。たいした荷物じゃないんだ。だけどうまい蕎麦が食えると思えばそれが歩くエネルギーになるんですね。 効率主義でばかり考えてたら人は行き詰まるんです。 嗜好品ばかりじゃない。文化とか芸術とかもそうです。そういうものは生きていくための付録とかじゃないんですね。そういうふうに考える人はけっこういますけどそれはちがうんだ。それがなければ人間は生きていけないんですよ。 どこかの脳科学者が言ってましたけど、きれいなものを見るとか美しい音楽を聴くとかということがないと人間の脳は退化して生命力そのものが落ちるそうです。 僕が今スタジオで飲んでるのは、コロンビアの深煎りしたやつです^^。 ダケカンバの竒木![]() ダケカンバがねじ曲げられたように変形して、また上に伸びてます。雪のせいですね、きっと。 豪雪や強風に耐えて成長したダケカンバはこのように独特なものが多い。その生命力の強さには感嘆します。平地では、直立した樹林帯もある。 この写真の場所は、笠松峠を越えて酸ヵ湯温泉の方へ向かうあたりです。4月のゴールドラインが開通する頃でも雪のトンネルで6mにも達するという豪雪地帯です。今年は各地で雪不足が伝えられてますけど、酸ヵ湯の今日の積雪はそれでも315cmありました。青森市は20cmなんですけどね。他で降らなくてもここだけは吹きだまりになってドカンと積もるんですね。 1立方メートルの雪の重さは、しまった雪でおよそ250kg〜500kgにもなるそうでから、このダケカンバには何トンもの重量がのしかかったんですね。 **ダケカンバ(岳樺)** 白樺(シラカンバ)とよく似ているが、シラカンバよりも更に高い高度帯に分布する。また、樹皮がシランカバよりもかなり赤茶色がかっている。この樹皮は殺菌作用があるんですね。切り傷なんか作ったりしたらこの皮の柔らかいところをむしって巻いておけば応急処置になります。焚き火の着火材にも使えますね。樹高10〜15mくらい、大きいものは30mにも達するものもある。 和に反するものを許さない国民
「近代西洋的な思想」というものに僕は時々かみついているけれど、
かといって日本的なものがベストだとも言っているわけではない。 自然を支配しようという欧米的なものの考え方は破綻しはじめているのはたしかだと思うし、やはり古来の日本的な考え方、自然と折り合いをつけて、つまり自然という全体の一環として人間のありかたを考えていくべきだと思う。それが持続可能な自然と人間社会を作っていくものだと思う。 それはいい。ただ、生物多様性が大事なんだという考え方にてらしてみると、日本的なもの、つまり「和」という思想というのにも落とし穴が潜んでいると思う。 それはこういうことだ。 倭の国とか大和とか言うくらいだから、日本人は古来から和を非常に重んじてきたのだけれど、それはいいが、和からはずれた人間には非常に厳しい仕打ちをすること、逸脱することを決して許さないという傾向が強すぎると思う。村八分にされたり、非国民と言われたりする。それはやっぱりかなりまずいと思う。それはいろんなところで弊害になっている。独創的な考えが出にくいとかサッカーだったらストライカーが育たないとか。 和を重んずる道徳観みたいなものは大事だけれど、個性も認めようというくさびを打っておかないと息苦しい危険なものにもすぐ転じるということを肝に銘じておいた方がきっといい。「美しい日本」とか上の方からやたら言い始めたらちょっと危なくなってきたぞということだね。 極論すると、和を乱すやつは許さないというのは、多様な生態系という考え方からみても矮小なんだ。なぜ?和を乱すやつはダメという考えは、進歩すること-前に進むというひとつの視点でしかものを考えていないからだ。進歩することはいいと無前提に考えているのは近代以降の人間社会だけであって、自然界とは関係ないことだ。 和を乱すやつは許さないという周囲の無言の圧力は、日本人なら小さい頃から誰でもいつかどこかで感じて来たことだと思う。 僕は特に、これが小さいころから嫌で息苦しくて、ずっともがいて抵抗してきたような気がする。今の世の中、この傾向がますます強まってきたと思いませんか?「あるある大事典」に」しても、テレビでなにかやるとワーっと群がる。何かミスするとワーっとたたく。 僕は、自分のホームページのopinionというページで1999年にこういうことを書いていた。 「赤ワインが身体に良いってんで最近そればっかり飲んでいるやつとか、ポリフェノールが老化防止に効くってんでチョコレートをやたら食いはじめたやつとか....。うーん!こいつらバーカじゃなかろうか。マスコミの話はみんな鵜呑みにしてしまうなんて。これも愚民化教育の成果ってわけだ。自衛隊に入れば体にいい、て言えばぞろぞろと入隊し、戦争行って鉄砲撃てば長生きする、ってマスコミがその根拠を学者のお墨付きで報道すればみんな戦争に反対しなくなる、ってのももうすぐだ。...」 それから8年経って、2007年には教育再生会議とかわけわからんのが出て来てもっと愚民化教育を進めるつもりのようだ。 上から言われたことには礼儀正しく拝聴しなさいと言っているわけで、こんなところで「美しい日本」とか使われたらヘドが出る。教育で再生しなきゃいけないのは、子供達ではなくて、差別体質の大臣や汚職まみれの知事やマスコミをすぐ鵜呑みにしてしまう「おとな」たちではないのか。 何も撮れない一日
一日歩き回ったのに何も撮れない。
人間はこういう時に悩む。何のためにこんなことをしているんだと。結果がついてこないことを悩む。ああこの子供じみた未熟な感情はいったいどうしたわけだ。 どんよりした天気が朝から続いている。何も撮れないままえんえんと歩き続けた。カメラはザックの中に仕舞ったままだ。 気持ちがどんどん沈んでゆく。ブナの深い腐葉土にはまって足がなかなか上がらない。何かおかしい。きのうも同じような森を歩いていたはずだ。山は変わっていない。オレの感覚だけが変わったのだろうか?薮も小枝もやたら気に障る。めずらしくもうやめようという気にもなっている。それなのに足だけは止まらない。そんな不思議な気の晴れない彷徨を続けていた。 何時間か経って、ふと立ち止まった。カメラをザックから出そうと思った。 どんよりとした気持ちのままシャッターを切った。 ![]() しばらくじっと山を見つめていた。あの森の下で熊も憂鬱に震えているのだろうか? 憂鬱な彷徨を何時間も続けなかったらこの写真は撮らなかったよ。 バイカモってなんだ?
僕の友人のコピーライター・カーシマくんが、
バカイモ?ってなんだと言うので、 バー異カモン!と怒鳴ってやったのですが(笑)、 冗談はおいといて、 梅花藻と書くんですね。 キンポウゲ科で、流れのある冷たい清流に生育する。本州、北海道各地にあるんですけど、これだけの規模で自生しているところはあまりないでしょう。最近は開発や河川の汚染で相当減ってきているようです。 バイカモの花を見るとわかるんですけど、白梅のような白い花をいっぱい咲かせるんですね。この花は水中でも咲いていたりします。だから水の中で光合成をやってるらしい。僕はちょうどいい時期に行っていないので写真残念ながらありません。咲くのは7月ごろですね。 |