
立っていられない強風。強靭でなるGITZO三脚が基幹部(カーボンではなくてダイキャスト部)から折れた!
ジェットコースターのように急展開した八甲田から戻ってきました。
3月8日は凄い一日だった!
しかもこの日だけ。9日以降は気温が急上昇して冬山が一気に終了してしまったのです。ずばりとねらいが当たって最高の撮影日和になり驚いています。一日ずれたら不発に終わってましたね。
7日に東京から10時間かけて現地入りしてそのまま駐車場で車中で寝て朝に登頂。見事な快晴、信じられない強風、残っていた厳寒期の風景。撮影の条件は300%でした。
一月に入山した時は、条件が悪くてあきらめたシーンを撮ることができました。1月、2月は吹雪続きで条件が悪い、厳寒期の最後である3月はじめに入山して一発で撮影しようとねらいを定めていたのです。こんなにねらい通りにはまるとは!完璧でした。冬の八甲田の最高の写真が撮れました。こんなのは10年に一回しかないでしょう。
実はその日宿泊した避難小屋にはもうひとりのカメラマンがいたのです。秋田在住のプロ、大川清一さんという人。「鳥海山」の写真集を出している人です。彼は鳥海山に200回登頂したという猛者です。彼は5日小屋に泊まって一日も晴れなかったそうです。僕が行ったその日だけ見事に晴れた(その後も快晴はなし)と彼がぼやいてました(笑)。しかも快晴の日にカメラが壊れて!(ぼくの三脚ジッツオも折れましたが)、彼はまた根性を出して下山して控えのカメラをとりにもどったのです。
「行けますかね?いわきさん。こんな晴れる日はめったにないでしょう?」
「えっ?夜に下山して朝戻ってくる気?」
「ええ。ヘッドライトつけて」
「まあできないことはないけど、ハードだよ。沢ぞいにいけば足あとついてるからなんとかなると思う。沢下ったら下の方に温泉の灯りが見えるからその方向に降りればいい」
で、彼はほんとに夜の1時ごろひとりで下山して朝には戻ってきたのです!すごい体力。話を聞いたら彼は元自衛官、しかも「空挺師団」だったそうです。なるほど。残念ながら翌日は曇りでダメでしたけど、彼の根性は見上げたものでそのうち必ず一流の山岳写真家として結実すると思う。
僕はたった一泊でねらいの全ての写真を撮り終えた。彼は撮りそこねた部分もあるのでもう一泊すると言ってましたが残念ながら次の日から天候はくずれました。お疲れ様です。大川さん、東京で酒でも呑みましょう。
この一日で冬の八甲田は終わりました。樹氷も融けてしまいましたね。かつてなら信じられない気象変化です。地球温暖化はかなりドラスチックに進んでいるようです。
僕はさっさと下山して翌日から場所を変更して春山風景にねらいを変えました。そこでも従来ならなかなか見られない風景を撮ることができた。ほんとに幸運でした。まだまだ僕は山の神様に好かれてるようです(笑)。