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写真家の山暮らし

Photos of Japan north country and the Photographer’s Journal 南八甲田の麓、奥入瀬川のほとりの山のスタジオからNature Photoを添えて日誌を綴っています。2012.3.11に恵比寿のスタジオをこちらへ移転しました。

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宮沢賢治とみちのくの自然

キクザキイチリンソウ
EOS5D EF24-105mm

東京の桜も散り始めましたね。どこもかしこも桜の写真ばっかりで、天の邪鬼の僕としてはあまりおもしろくないので春を告げる別の花を載せよう。

キクザキイチリンソウ(菊咲一輪草)、あるいはキクザキイチゲ(菊咲一華)とも言う。
雪が融けると真っ先に顔を出すのがこの花である。白と紫の一輪をつける。ブナの林床にきらめく宝石のようだ。
キクザキイチリンソウ

キクザキイチリンソウ
宮沢賢治の未発表の詩が発見されましたね。

「停車場の向ふに河原があって/水がちよろちよろ流れていると/わたしもおもひきみも云う/ところがどうだあの水なのだ/上流でげい美の巨きな岩を/碑のやうにめぐったり/滝にかかって佐藤猊厳先生を/幾たびあったがせたりする水が/停車場の前にがたびしの自働車が三台も居て/運転手たちは日に照らされて/ものぐささうにしているのだが/ところがどうだあの自働車が/ここから横沢へかけて/傾配つきの九十度近いカーブも切り/径一尺の赤い巨礫の道路も飛ぶ/そのすさまじい自働車なのだ」

 賢治らしい独特の音楽のような詩。この流れるような旋律というのはまったく独自の領域ですねえ。童話もいいけど僕は賢治の歌にたまらなく惹かれます。啄木と賢治。共通して流れているのは、みちのくの自然に対するまっすぐの深い愛情と南部人独特のやさしさかなあと思ったりします。

 津軽の、太宰治とか棟方志功とかとは少し違うんですよね。例えば、太宰は、十三湖を見て(十三湊(とさみなと)のかつての繁栄をたぶん頭のなかに浮かべながら)「かなしみ」や「淋しさ」を口にするんです。まっすぐに自然の素晴らしさを詠う啄木や賢治とは少しちがうような気がする。志功は「わだばゴッホになる」と言ったけれど、賢治は「えらい人にだけはなりたくない」と言った。これは「東日流(つがる)」と「都母(つも)ー糠部(ぬかのべ=南部地方)」の歴史と風土のちがいかなあと思う。津軽がひねくれていると言うわけじゃない。むしろまっすぐなんですよ。中央にたいする対抗心・反発心という意味で。南部の方が歴史的にはもっと複雑です。南部氏なんて清和源氏なわけです。かつての仇敵が藩主になったわけですから。中央政府に対抗した会津藩も下北に流されている。その上、明治新政府は南部を青森と岩手にまっぷたつに分断しているわけです。津軽には、安倍氏ー安東水軍という心の拠り所があった。南部は、アテルイー安倍 貞任 (あべ の さだとう)ー奥州藤原の本流であったわけで、だからこそよけいに徹底的に分断されてしまったわけです。心の拠り所は、陸奥の国の自然だけになってしまったとも言えるのではないかなあ、と思ったりします。


2009.04.09[Thu] Post 15:48  コメント:0  TB:0  キクザキイチリンソウ  Top▲

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