


三つとも地形図に載っていない滝だ。いずれも20m以上あり、最後の滝は、40mちかくにも達する。
7月の南八甲田は、3週間も降り続けた。北八甲田も十和田市街も晴れているのに南八甲田の上空だけすっぽり雨雲につつまれて、やませ(偏東風)が吹き、冷たい雨が降り続けた。上流で張ったテントの夜は、5℃にまで冷え込んで震えるようだった。
待てども待てども雨が上がりそうもないので、僕は一度、実家の十和田市へ撤退した。ダメな時は飲むしかねえべさ。十和田に行くと気の許す古くからの友人達がいる。僕がよく立ち寄るのは友人夫婦がやっているエスパーニャというスペイン料理の店だ。ここの友人には、マサヒロくんとかサントスくんとか、山に詳しい猛者がいて、彼らが採ってくるカックイや舞茸の格別さは、とうてい僕はかなわないのだ。南部の地酒を飲み山菜を食らい、深夜まで呑みつづける。最近、女へんの店に行かなくなったのは、トシのせいもあるがその道に強いニシノくんが海外から戻って来ないせいもあるゾ。別に僕はマタギじゃないんだから、入山する一週間は女に触れないなんて節制しているわけでは決してないのだが(笑)。
二日、街で呑んだくれてまた山に戻った。市街から南八甲田へ向かうと、すっぽりガスに包まれた山塊が見えた。